ラリー・シモンの映画
ラリー・シモンは、20年代アメリカにおけるサイレントコメディ全盛期のスターです。バスター・キートン以上と言われたスタントアクションと、ド派手な演出で一世を風靡しました。一時はチャップリン、キートン、ロイドの三大喜劇王より人気があったとも言われています。後に人気者になるローレル&ハーディを助演として使っていたことでも有名です。日本では昭和初期の文学者、稲垣足穂のお気に入りとして知られています。
ラリーは映像表現そのものにもこだわりを持っていました。スピード感を出すためにコマ落としをするのは広く行われていましたが、ラリーはスローモーションも多用してアクションに幅をもたせていました。クラッシュや爆発、合成による特撮など、スペクタクル表現を追求した人でもありました。
大人気だったラリーですが、結局は時が経つと共に忘れ去られてしまいます。脈絡のない展開や、同じネタの使い回しの多さは、彼の表現者としての限界を示しているのでしょう。やはり三大喜劇王は偉大だったんだなと改めて思います。彼らは優秀なストーリーテラーであり、アイデアマンでありました。
ラリーの映画はとっくにパブリックドメインに入っていますので、YouTubeで気軽に観ることができます。いい時代になりました。
The Show
1922年公開
後半の車やバイクで列車を追跡するアクションシーンが素晴らしいです。
The Sawmill
1922年公開
金庫爆破のギャグが大好き。なんでそうなるの。
The Bell Hop
1921年公開
複葉機での空中戦!
Horseshoes
1923年公開
これも後半に得意のカーアクション。
youtu.be
The Fall Guy
1921年公開
話の途中で唐突に、意思を持った車に襲われます。なんなの。こういうシュールさもラリーの持ち味。
Fraud and Frenzies
1918年公開
ラリーとスタン・ローレルの掛け合いが楽しい。こういうスタンダードなコメディもできるんです。