難解な大人のロマンス「スターウォーズ/帝国の逆襲」
スターウォーズ / 帝国の逆襲 Star Wars Episode V The Empire Strikes Back
- 1980年公開 アメリカ映画
- 監督 アーヴィン・カーシュナー
- 出演 マーク・ハミル / ハリソン・フォード / キャリー・フィッシャー
映画館に行った一番古い記憶は、 親に連れられて観に行った「アドベンチャー・ファミリー」です。熊に襲われるシーンだけしか覚えていないので、面白いと感じたのかどうかもよくわかりません。
それから何年かして、初めて自分の意思で「スターウォーズ / 帝国の逆襲」を観に横浜の映画館に行きました。一緒に行った友達の顔は思い出せないけれど、映画の記憶は鮮明に残っています。宇宙で繰り広げられるスケールの大きな物語に夢中になりました。
なにしろ、まだサンタクロースを信じていた夢見る小学生なのです。その感動たるや筆舌に尽くしがたいものがありました。
この映画は遠い昔に実際にあった話を描いているのだ、と本気で信じていましたし、C-3POやR2-D2は本物のロボットだと思っていました。中の人などいない!
ルーク・スカイウォーカーとレイア姫が大好きで、スノーウォーカーやスターデストロイヤーなどのかっこいいメカの数々に魅了されました。
それと同時に、少し難しい映画だなと感じたことも覚えています。大人の人間関係が、ちょっと子供の理解の範疇を超えていました。
主人公はお姫様と恋をするのが当然だと思っていたのに、なぜかレイア姫はハン・ソロと恋に落ちる。これが全然理解できませんでした。ハン・ソロなんて、あんな口をひん曲げていやらしい笑い方するやつのどこがいいんだろう。なんか悪いやつっぽいし。ルークの方がずっとかっこいいじゃないか。とか、思いながら観てました。
レイア姫がハン・ソロへの当てつけでルークにキスをしますが、「やった! ルークの勝ちだ」と客席で一人ほくそ笑んでいました。バカですね。有名な「I love you」「I know」のやり取りなんて子供にわかるわけがない。男女関係の機微なんて子供の守備範囲外ですってば。
でも、それはこの映画が名作と呼ばれる重要な要因の一つでした。スターウォーズ全シリーズを通しても一番大人びた映画でした。
ストーリーの基本線に、オンボロ宇宙船の追いかけっこという要素があるのも良かったですね。ハラハラドキドキ感が強くて、手に汗握りながら観ていました。
三角関係や追いかけっこ、ミリタリー要素強めの戦闘シーン、主人公の成長。映画的な快感がそこかしこに詰め込まれています。大人になってから観直しても、やっぱり傑作だなと思えたのは幸せな事だなと思います。
スターウォーズで一番好きなのは「帝国の逆襲」というファンは多いですが、それはいわれのないことではありません。まだスターウォーズを観たことがなくて、どこから観たらいいかわからない人がいたら、迷わずこれを勧めます。
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